50代の会社員男性です。宅建合格当時は金融機関に勤務していました。
宅建試験を受けたきっかけ
私の勤務していた金融機関では不動産を担保とした融資を行うため、不動産関連の法令・税務・周辺知識などを幅広く学ぶことができる宅建士の資格取得を奨励していました。
そのため合格した場合、受験費用は会社が負担してくれるという制度もありました。
会社の業務遂行に役立つこと、周りの同年代の同僚にも宅建士の資格取得を目指している人間が多かったこと、性別・年齢を問わず幅広い人が挑戦していること、選択式の試験で記述式の試験ではないので、ある程度勉強しておけば比較的容易に合格できるのではないかと思ったのが受験のきっかけです。
ただし最後の容易に合格できるのではないかという甘い考えは、その後すぐに粉砕されることになるのですが。。。
勉強仲間の存在が合格への近道だった
結局合格するまでに3年かかる羽目になったのですが、最初の2年間は市販の参考書と問題集(過去問含む)を中心に勉強しました。
自分ではそれなりに真面目にやっていたつもりなのですが、結局のところ生半可に教科書を読み、ある程度問題集をこなしただけで満足していたように思います。
業務が忙しかったこともありますが、やはり何としても合格するのだという強い思いにかけていたのだと思います。
当時は過去問やっても、6割取れるかどうかといった状態でしたが、「後は運がよければ何とかなるさ」くらいの感覚で本試験に臨み、結果として受験料をどぶに捨てていました。
そうするうち同僚は半分以上宅建士の資格を取得していき、さすがに3年目は焦りもあり一念発起して勉強の仕方を変えることとしました。
まず一緒に勉強する仲間を作ったこと。
これは勉強のペースが独りよがりにならないよう、また一緒に勉強することでモチベーションの維持に役立ちました。
使う教材そのものは市販の参考書と問題集であることは変わりありませんが、これまでは適当に読み飛ばして、後は問題集を解きながら覚える。というスタイルだったのを、しっかり参考書を読み込み、重要なところはほぼ丸暗記したと思えるくらいまで理解してから問題集に臨むようにしました。
もちろん問題集も間違えたところは、同様に間違えた理由も含めほぼ完全に理解したと思えるまで解説を読み込むようにしました。
結局のところ、受験時には中途半端な知識は役に立たず、生半可に知っていることでかえって誤答してしまうこともあるので、この勉強法は有効でした。
第三に初めてLECの直前対策講座を受講しました。これはお金はかかりますが、さすがに資格予備校は過去問の傾向などもしっかり押さえているので、受験生が陥りやすい間違いを教えてくれるので有効でした。
科目別に勉強の力加減や勉強法を変えると効果的
仕事もありますので、平日は1時間程度勉強するのがせいぜいで、勉強はほぼ土日・祝日に集中して行いました。
最後の3か月くらいはほぼすべてのお休みを勉強にあてていたと思います。
土日に集中してテキストを読み込んだり問題集を解いたりして、間違ったところやわかりにくいところを平日の通勤時間や朝起きてからの隙間時間を利用してチェックしていくのが通常のルーチンでした。
科目別に見ると、周辺知識は配点もそれほど高くなく何が出るかわからない部分もありますので、満点は狙わず誰もがとれそうな事項を理解することに集中しました。
少数の人しか正解できないニッチな分野に時間をかけるよりは、誰もが取れそうな項目を絶対落とさないことの方が受験には有効だと思います。
また民法は非常に幅広い事象を扱っていますし、時々結構ひねった問題が出て、司法試験を受けるような人でも正解に苦慮するようなことがある、といった話も聞いていたため、こちらも満点は狙わず、基礎的な事項をしっかりと理解し、簡単な問題を落とさないことに努めました。
関連法規については、完全に暗記することができれば得点源になるはずですので、時間がある人はしっかり暗記に時間をかけるべきだと思います。
ただ結構似たような数字が出てくることから暗記が難しい分野でもあり、私自身はまた十分な勉強時間が確保できなかったこともあって、この分野の暗記は中途半端に終わってしまいました。
それでも複雑でないものはほぼ完璧に覚えていましたので、合格点レベルの得点はできていたと思います。
最後に宅建業法ですが、こここそもっとも時間をかけるべき分野だと個人的には思います。
配点も最も高く、また比較的設問の内容もひねった聞き方はしてこないため、主要な条文を暗記するくらいしっかり読み込んでいけば、ほぼ確実に得点ができるためです。
私自身は勉強時間のかなりの部分をここにつぎ込んだ結果、業法は満点でした。
3度目の正直で合格できたのは、主に宅建業法での高得点のおかげだと思っています。
最後にLECの直前対策講座については、もちろん講座でやって問題がそのまま出たわけではないのですが、民法で引っかかりやすいポイントを教えてもらったことで、民法の試験を受けるにあたっては心理的に安心感がありました。
また試験の直前期はだれでも不安になりがちですが、この時期になると周りもみんなひきつった顔をして勉強しているのが分かりますので、「自分だけではないな」と安心する材料になります。
もちろん一緒に勉強する仲間の存在もいいペースメーカー兼刺激になりました。
試験直前はあまり不安になっても意味がない。直前までしっかり勉強しよう
事前に過去問や市販の模試などである程度「いけるな」と思える程度勉強をしていましたので、試験前日はそれほど不安感はありませんでした。
とはいえ当日になると、「弱いところばかり聞かれたらどうしよう」とか「問題傾向が変わってものすごく難しくなったらどうしよう」などと思ってしまうものです。
もっともそんな可能性はほとんどありませんし、難問ばかりになったらみんなできないので、あまり気にする必要はありません。
悩むくらいだったら、試験開始直前まで、基礎事項や弱いところの確認にあてた方が合格確率は確実に高まります。
試験直後は「本当にできてるかな」という不安もありましたが、自己採点してみるとほぼ模試通りでした。なのでやったことは確実に結果に反映されます。
安心して勉強しましょう。
なお余談ですが、宅建士の勉強は将来マンションや家を購入するときにも役立ちます。
担当者から重要事項説明を受けながら、かつての勉強を振り返ってみるのも楽しいものですよ。
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